1889年に創業し、かつては日本の繊維産業の中心的な存在だったユニチカは28日、200億円の出資を受けて官民ファンド「地域経済活性化支援機構」の傘下に入ると発表した。銀行に債権放棄を求めるなどし、私的整理手続きを進める。祖業の繊維を含めた課題事業を外部に売却して再建を目指す。
「赤字事業を続けてきた結果、資金繰りの維持も困難な状況になった」。28日に大阪市で会見した上埜(うえの)修司社長は、会社の窮状をこう説明した。
2024年3月期決算が初の営業赤字になる見通しになった約1年前から、スポンサーを探してきたという。「先輩方の思いのこもった事業を、なんとか継続したいという思いで今回の判断にいたった」と語った。
ユニチカはこの日、事業再生計画を機構に提出し、機構は支援を即日で決定。ユニチカは来年2月に臨時株主総会を開いて株主に諮ったうえで、4月下旬に機構に対して第三者割当増資を行う予定だ。その結果、機構の持ち分はユニチカの議決権の66・76%を占め、同社の経営権を握る。
会見に同席した機構の渡辺准…